2011/10/31

拝啓、ジョブス様

貴方の生きた世界を垣間見ました。
本当にそれは一瞬で儚い夢の様。
大気圏に突入する瞬間の様な輝き。
危うく、脆いもの。
けれど、 なんて人生を
貴方は生きたのでしょう。
まるで一本の映画を見ている様で、
気づくとその人生を食い入るように
眺めてしまい、目が離せなくなります。

確かに貴方は特別な人間だったのでしょう。
昔、『グッドウィル・ハンティング』という映画で、
主人公の仲間だったブルーカラーの兄貴分が、
類まれなる才能を持つ弟分のような主人公に向かって、
「世の中には、宝くじを持って生まれてきた奴が
いるんだ。もしお前がその宝くじをどぶに捨てる
ようなら、俺はまじでお前を殺す」と言うシーンがありました。
貴方はそういった、宝くじを持った人だったのかもしれませんね。
そして突き進んでいった。

なんて人生なのでしょう。

正直、貴方の様な人が私の上司だったら、
私は夜も眠れないでしょう。
でももしも貴方に認められるならと、
目の色を変えて必死でやり遂げようと
火事場の馬鹿力を出してしまうかもしれません。

人は貴方の「ささやかな」短所など、
(どうにかこうにか)目をつぶってでも
貴方の後をついていったのでしょう。

夕暮れ時、駅のホームで
ふと本から目を上げると
綺麗な夕日が見えました。
こんなパワフルな貴方がこの世にいないなんて
なんだか信じられないと思いました。

『嵐が丘』でヒースクリフが
キャサリンの亡骸に叫んだように
「永遠に貴方の魂が
このヒースの荒野を
彷徨い続けてくれ」
と言いたいところですが、

多分そんな事言わなくても
貴方の事だからきっと、
突然またこの世に現れて
人を驚かす事でしょう。

良いとか悪いとか
そういった事抜きで考えれば
貴方は永遠の少年のような
人だったのですね。

私達は夢を見続ける事が
使命なのかもしれませんね。

そしてそれを形にすることも。
この儚い一瞬の輝きの中で。

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